日常にとても密接な浄水処理の仕組みについて解説

皆さんは日本の水は好きでしょうか?

日本は世界で一番水道水が安全と言われるほどですから、しっかりした浄水機能があるのでしょう。

 

そんな日本の水は、どのようにして綺麗にされているのか疑問に思った方もいらっしゃると思います。

 

今回はそのことについて解説していきたいと思います。

 

結論から言うと大雑把に言うと6つの場所で処理をしてから我々に届いているのです。

 

では、解説していきます。

 

浄水場の役割と仕組み

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昔から人と飲み水との関係は深く、人々の暮らしを支えてきました。

しかし、カルキ臭くて飲めない、と言った方も一昔前にはいて、わざわざ煮沸してから飲んでいた方もいらっしゃったと思います。

 

そんなひと昔前に比べて、水道の水がおいしくなったと感じる人もいるのではないでしょうか?

 

実は、浄水場があるおかげで、より美味しい水が提供されたからなのです。

浄水場は河川や湖沼、ダムから取り入れた浄化前の水を浄化・消毒するための施設で、私たちに安全な飲み水を届けるための大きな要因を担ってくれています。役割としては大きく3つあり、順にご紹介していくと、

 

・安全な水を供給する役割

 

人々に安心で安全な水を確実に供給するために、私たちの日常生活に欠かせない水は、飲み水としてはもちろんのこと、毎日の調理やお風呂など、それ以外の用途でも利用されます。

 

つまりこうした人々の生活の中枢に用いられる水ですから、品質が担保されている安心して使える水でなければなりません。人の健康にも直結する問題ですから、安全性は大切なのです。

 

・有害物質を除去する。

 

有害物質を取り除かなければ安全な水とはいえないのです。浄水場で浄化・消毒する前の水の中には、ヒ素カドミウムなどの人間にとって危険な物質や、農薬、塩素、大腸菌といった不清潔な物質が含まれていることもあります。

 

これを取り除くために、浄水場で浄化・消毒が行われています。また、有害物質が安全基準値を超えないための監視も浄水場では行なっています。

 

・きびしい水質基準

 

日本では、安全な水を守るために、「水質基準」が定められており、この基準は世界の中でも特に厳しく定められているのです。浄水場では水中に含まれる有毒物質を検出するだけでなく、基準値以下の水をさらに処理することで、常に水の安全性を担保しながらさらに美味しい水を提供しています。

 

ではどのように処理しているのでしょうか。

次の順番で水を処理しています。

 

・着水井(ちゃくすいせい)

浄水場の中で原水が最初に到達する場所のことで、原水の量を調節しています。原水を取り入れたあと、その中に混同する土や砂利を沈めて取り除くために「沈砂池(ちんさち)」という所に運び、導水管を通って浄水場内の着水井に原水は向かいます。

 

・沈でん池

着水井から沈でん池に運ばれた原水は、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を注入されます。これには、原水に含まれる細かい土や石をくっつけて、大きな塊にする作用があります。この大きな塊が沈でん池の底に沈むことで、ある程度原水が浄化されます。

 

・急速ろ過池

原水は、沈でん池の後に急速ろ過池に向かいます。急速ろ過池では、沈でん池で取り除くことができなかった微細な浮遊物を、砂と砂利の層を通して取り除き、さらに浄化していきます。

 

・消毒設備

急速ろ過池を越えると、次は消毒設備に運ばれます。ここで、原水に次亜塩素酸ナトリウムを加えます。この作業によって、雑菌を殺し水を安心して飲める状態にしていくのです。

 

・配水池

消毒設備を通って安心して飲める状態になった水は、配水池に運ばれます。いわゆる水道水貯蔵のための池で、水の使用量に応じて水量を調節し、バランスを保っています。また貯水池は、地震などの災害が発生した際の飲み水を置いておく場所にもなります。

 

ポンプ場

配水池から運ばれた水道水は、私たちの世帯へ行き渡るように、このポンプ場から送り出され、地形によって、起伏のある地域には、ポンプで一定以上の水圧をかけて送っているのです。

 

ざっとではありますが、この6つの設備を通って我々の元に着くのです。

さらにこれだけではなく、最近は日本の品質を高めるためにさらに処理をしているのです!

次の章でご紹介していきます。

 

水道水をもっと美味しくするための努力

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最近では、前述の本来の浄水処理にさらに高度な技術が加えられた「高度浄水処理」処理方法を用いて、よりおいしい水を供給しているのです。

 

従来の浄水処理方法では、水道水に有機物や臭いが微量ながら残っておりました(カルキ臭など)。そこで、今までの浄水処理をさらに発展させたのが、この高度浄水処理です。

 

これはオゾン処理による有機物の分解プロセスと、生物活性炭による自然に近い吸着の効果を用いて浄化されることで、今までの課題だった有機物を除去することに成功しています。

 

高度浄水処理には、水道水を供給する方式として「直接給水方式」と「貯水槽水道方式」の2つの方式をとっています。

 

直接給水方式は、給水管に増圧ポンプを設置し、水圧をかけてビルやマンションなどの中層階まで直接給水する方式です。

つまり重力に逆らって下から上に圧力で提供する方式です。

 

貯水槽水道方式は、水道水を一度、受水槽に貯めてから、ポンプを使ってビルやマンションなどの屋上にある高置水槽に汲み上げて、各世帯に自然流下によって給水する方式です。つまり、重力の仕組みを利用したものになります。

 

まとめ

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日本の水は、一昔前まで「カルキ臭い」と敬遠する人もいて、取り除くために一度沸騰させてから利用する人もいました。

 

そう言う過去があり、技術が発展して現在では蛇口をひねるだけでおいしくて安全な水を飲むことができるようになりました。

 

こうした安全な水を飲むことができているのは、浄水場のおかげなのです。浄水場が弛まぬ努力をしてきたからこそ、今の安心安全の水があるのです。