知ってるような梅雨入りの決め方と梅雨明けの発表とは

皆さんは梅雨は好きでしょうか。

5月下旬頃に雨が降ると、そろそろ梅雨入り?と思う方もいらっしゃると思います。

 

雨が降ってもなかなか梅雨入り発表されないこともあり、不思議ですよね。

 

そもそも梅雨はどんな原理で起きる現象でしょうか。

また、天気予報で発表する「梅雨入り」「梅雨明け」の決め方はどのようにしているのでしょうか。

 

結論から言うと、厳密に決めるのは難しいようです。

では、ご紹介していきます。

 

梅雨とは一体何なのか?

 

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春から夏への季節の変わり目になると太平洋高気圧が活発化していきます。

このとき大陸の高気圧が北に押され、日本南岸から中国長江流域に梅雨前線が停滞して雨や曇りの日が多くなるのです。この状態を梅雨といいます。日本では、北海道以外で現れる現象なのです。

 

あれ、梅の雨となんで書くのか、そう思った方もいらっしゃると思います。これは、「梅の実」が熟す頃に降る雨なので梅雨と名付けられたのです。

 

梅雨(ばいう)は中国由来の言葉で、様々な説が存在していますが、代表的な1つにカビ(黴)が生えやすい時期なので「黴雨(ばいう)」と呼ばれるようになった説があります。

 

昔は「ばいう」と梅雨のことを呼んでいましたが江戸時代になってから「つゆ」と呼ぶようになったのです。

これは、露(つゆ)や、実が熟して潰れる意味の「潰ゆ(ついゆ)」が由来とされています。

さまざまな現象から、今のように梅雨と呼ばれるようになったのですね。

 

梅雨の期間ですが、毎年関東地方の場合、6月10日頃〜7月20日頃の約1ヵ月から1ヶ月半程度梅雨となっています。

 

雨量に関してはその年によって雨の量も降り方も全く異なり、沿岸部や内陸部などの測定位置によっても異なるのですが、関東地方や東海地方では梅雨全体で300mm程度(年間降水量の約5分の1)、九州地方では500mm程度で(年間降水量の約4分の1)とされていて、西に行くほど梅雨の降水量が多い傾向が毎年出て来ています。

 

ただ、空梅雨という、あまり雨が降らない梅雨というものもあり、150mm程度しか降らないこともあるようです。

 

また、傾向面から言えば梅雨の前半は曇りで時々弱い雨が降り、梅雨の後半になるほど強い雨が降りやすい傾向があるのです。

さらに、日照時間の少ないことも特徴の1つで、6月の東京では、一瞬たりとも日が照らない日もなんと8日程度あり、「雨は大して降らなくても曇りがちでどんよりしている」という日が多く見られるのです。

 

1日も日が当たらない日というのもあるのですね。日常過ごしていると多少は当たっているのでは?なんて思ったりするものですが・・・

 

では、どのようにして定義しているのでしょうか。

梅雨入りと梅雨明けの定義は?

 

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梅雨入りや梅雨明けは、気象庁が1週間程度の天候予想に基づいて発表していて、実は明確な定義はなくあくまで目安とされています。

 

具体的には、停滞前線の影響で雨が降りやすい状態が続くのではないかと判断した時に「梅雨入り」を公式発表し、その後、太平洋高気圧の勢力が強くなり、梅雨前線を北に押し上げ、気圧配置が梅雨から盛夏(夏になっていく)の状態に変化した時に「梅雨明け」を公式発表しているのです。

 

このように、明確な定義はないので、「走り梅雨」や「梅雨の中休み」などあったり、梅雨入りや梅雨明けが曖昧なまま終わってしまう年もあるようです。

 

こうした確実なタイミングが分からないので以前は「梅雨入り宣言」「梅雨明け宣言」という明確な宣言をしていたのですが、最近では暫定的な発表形態である「梅雨入りしたとみられる」「梅雨明けしたとみられる」という曖昧な言い方に変更されました。

 

 

そして、この遡及的には9月頃になってから5~8月の天候を振り返って検討してから確定値として正式発表すると言った形なのです。

 

こうした形式にしたのは、

・クレームが多かった。

・梅雨入りと梅雨明けの発表はして欲しいと要望があった。

 

このような意見があり、今の方式を採用するようになりました。

 

確かに発表されない年もあるように感じますが、後から正式発表していたのですね。。

9月になって梅雨を気にする人はなかなかいないと思うので・・・ 

まとめ

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梅雨は雨がたくさん降ってジメジメして日も出ないので憂鬱・嫌な時期、と感じる人が多いですよね。

 

ただ悪いことだけではなく稲などの農作物にとっては大切な時期です。

また、観光地では気象庁の梅雨明け発表があると賑わいはじめる地も多く、人々の生活や仕事に密接な関わりがあるんですね。

そのため、梅雨入りと梅雨明け時期の発表というのは日本人にとって欠かせないのです。

 

今までなんとなく梅雨入りや梅雨明けを天気予報で知るだけだった人も、今回梅雨について少し理解してみて、ああ、そろそろ雨降るな、とか、そろそろ日が出てくるのかななんて思うようになれれば今までより少し身近に感じ、楽しく過ごせるようになるといいですね!